福島県沖地震災害調査:宮城県・福島県

 3月16日23:36頃に福島県沖を震源として発生したM7.4の地震により、宮城県・福島県を中心に甚大な被害が生じました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 当センターでは3月20日と21日に宮城県南部と福島県北部において、現地調査を行いましたので、概要を報告いたします。

 宮城県白石市の新幹線脱線現場の周囲の半径約1kmの範囲において、新幹線の架線の損傷(写真b)、道路の損傷(写真c)、川にかかる橋の破損(写真d)、墓石の転倒(写真e)、屋根瓦の剝落など、様々な変状が認められた。これらのことから、新幹線脱線地点付近では実際に地震で強い揺れが生じていたことが推測される。仙台市宮城野区、名取市および福島市で訪れた墓地では、転倒した墓石は認めれられなかったが、墓誌や灯籠の転倒(写真f, g)や墓石の回転(写真h)が認められた。蔵王町の墓地では、墓石の転倒が認められた。

 福島県相馬市においては、神社の鳥居の損傷(写真i:涼ヶ岡八幡神社。全体が傾いて、貫がジグザクに折れている。写真右下部には転倒した石碑も写っている)、家屋や建物の損壊(写真j:道の駅そうま。屋根瓦が剝落し、割れたガラス窓も認められた)、墓石の転倒(写真k:墓地全体では、2021年2月13日の福島県沖地震の時よりも転倒率が高いと思われる)、護岸堤の崩壊(写真l:松川浦。海側の護岸が道路に対して数10cm程度落下し、ガードレールと道路標識が傾いていた)、常磐線の線路のゆがみ(写真m:補修工事がなされて敷石が新しくなっていると見られる)、道路の損傷(写真n:県道34号線。道路の損傷は盛り土部や橋のつなぎ目で発生していることが多い)など、市内各所で様々な変状が認められた。3月21日時点で相馬市内は断水が続いていた。福島県新地町から宮城県山元町にかけては、道路の損傷や墓石の転倒が認められた。

山形大学災害環境科学研究センター

山形大学 災害環境科学研究ユニット (山形大学 災害環境科学研究センター)

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