山形の自然の魅力 -その3- 長井盆地の地形と散居村
長井盆地の南部(長井市南部〜飯豊町北部)には広大な田園地帯に民家が散らばって点在する、散居村(さんきょそん:散居集落、散村ともいう)の景観が広がっている。各民家は冬季の風雪から家屋を護るために西側に防風林(屋敷林)を伴っている。
写真の遠方には壁をなすように朝日山地が連なり、山地と平地のコトントラストが見事である。その山地と平地の境界には長井盆地西縁断層が南北に縦走し、それにそって朝日山地が隆起、長井盆地が沈降し、白川、萩生川、野川などの河川によって運ばれた土砂が堆積して緩やかな扇状地性の耕地がつくられている。(写真:飯豊町から北方を望む)
山形県内では散居村は置賜地域西部に特有の集落形態である。同じ置賜地域でも最上川本流よりも東側の米沢盆地東部や、村山・新庄・庄内地域では集村(しゅうそん:民家が密集するタイプの集落)が一般的であり、散居村は発達しない。
0コメント