全国地震動予測地図2020年版 −解説−

 全国地震動予測地図2020年版が2021年3月に地震調査研究推進本部により公表されました(詳細はJ-SHIS地震ハザードステーションにも)。その中から山形県に関することを要約します(2018年版と比べて大きな違いはありません)。

(1) 内陸活断層による地震および日本海東縁の地震への備えが大切。発生間隔は長いが、震源断層近傍で震度6〜7の非常に強い揺れに見舞われ、甚大な被害が生じ得る。

(2) 太平洋側の海溝型地震は発生間隔が短く(数年〜数10年ごと)、その影響で山形県内の盆地・平野部では震度5強以上の揺れに見舞われる確率が高い。

(3)「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率(平均ケース・全地震)」は、2018年版と比べて、2020年版では米沢盆地・山形盆地・庄内平野で確率がやや増加(浅部地盤構造モデルの更新などに起因)。

(4) 県内の主要活断層の地震発生確率(今後30年間)
 活断層名     :平均ケース/最大ケース
 新庄盆地断層帯東部:1.27%/4.77%
 新庄盆地断層帯西部:0.636%/0.636%
 山形盆地断層帯北部:2.18%/7.56%
 山形盆地断層帯南部:1.19%/1.19%
 庄内平野東縁断層帯北部:0%/0%
 庄内平野東縁断層帯南部:0.0187%/5.90%
 長井盆地西縁断層帯:0%/0.0244%

(5) 山形県の皆さまへ:自宅や職場が揺れやすい立地条件かどうか、また近くの活断層が地震を起こすとどのような揺れになるか、の確認が重要です。活断層による地震は緊急地震速報は間に合わず、身構える時間もありません。そのため、基本的にはいつ地震が起きても命を落とさないように家具固定や落下物防止、耐震化への取り組みが大切と考えられます。


山形大学災害環境科学研究センター

山形大学 災害環境科学研究ユニット (山形大学 災害環境科学研究センター)

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